キングダム63巻は信が趙将・岳白を王騎から受け継いだ矛(ほこ)で斬り、
羌瘣隊、亜花錦の協力を得て、「死地」と噂される影丘(えいきゅう)を攻略したところで終わっています。
この記事では64巻の大まかなあらすじをネタバレを交えて紹介していきます。
Contents
扈輒軍二十四万に対して、桓騎軍八万が勝つ為に取った兵法とは?

行方不明の桓騎
趙軍・虎白公(こはくこう)は戦いを諦め、退散しようとする桓騎軍の残党の中に桓騎の姿を見つけることができずにいました。
すると暇を持て余していた扈輒(こちょう)本陣に急報が届きます。
「正面の守備第一陣の前に敵が現れた」。
とのこと。
この急報は、やがて西側、東前方からも敵影が現れたと次々と報告されました。
桓騎は斉軍・軍師であった孫臏(そんびん)の兵法を真似、敵に自兵の数を見誤せる手法を取っていました。
降参して逃げたと思っていた桓騎の兵は死者や負傷した兵に隠れ扈輒軍が自分達を通りすぎるのを待っていました。
これにより、桓騎軍は動かずして扈輒軍を突破する結果となり、姿を消していた桓騎の指揮により、
扈輒本陣に奇襲をかけることに、成功します。
扈輒将軍は部下とともに、右側虎白将軍五千の下へ退避することを試みます。
が、桓騎がこの行動を読み、待ち構えている可能性が。
扈輒将軍は左の空白地に退避しました。
しかし、目の前に現れたのは自ら軍を率いた桓騎本人でした。
絶対絶命の扈輒
扈輒を守る近衛兵は百騎。
一騎一騎が選び抜かれた精鋭部隊でした。
その中の一騎・夏満(かまん)が桓騎に襲いかかります。
夏満はいとも簡単に桓騎に胸元から背中にかけて切られます。
夏満は「真の痛みを知る扈輒様は、そんな艶やかな瞳をしておらぬ。真の痛みを知る者とは…」
と言いながら落馬します。
一方、扈輒は側近たちの死にも全く動じておらず、これを見た桓騎軍の近衛兵は逆にゾッとします。
扈輒は桓騎に対して、確かにここで自分は敗れるが、桓騎が自分を討ち取る為に、大量の自兵を犠牲にしたことを非難します。
扈輒は桓騎に、「痛みの底を知らぬ貴様は浅い」と尚も非難するが、そんな扈輒に対して桓騎は、
「痛みに底なんてねぇ。顔面にそんな物を埋め込んでねえと、平衡を保ってられねえ。軟弱者なんだよ。」
部下や敵兵が触れることのできない、扈輒の顔面への飾りの埋め込みについて核心をつこうとします。
一瞬、ハッとした扈輒。
しかし、「先に雷土(らいど)と酒でも飲んで待っているぞ」と言って剣を自分の首に向け、自害を試みます。
桓騎の近衛兵は、勿論これを許さず、扈輒の腕を切り落とします。
結局、扈輒は両腕を切り落とされ、討死にしました。
桓騎の近衛兵はすぐさま、扈輒の首をかかげ戦場にさらして周ります。
桓騎軍軍師・魔論(まろん)は情報部隊を全戦場に展開し、
扈輒の死と秦軍十万の援軍が迫っていると拡散し、趙兵の戦意を喪失させ、次々に投降させていきます。
飛信隊にも遅れて、桓騎が扈輒を討ち取ったことが伝えられました。
バラバラにされた雷土
一方、桓騎の本陣では側近たちが雷土が見つかったと聞いて、桓騎の元へ集まってきました。
さらし首にされた趙兵の中に、雷土の首はありません。
困惑した側近たちが桓騎に大きな箱を開けるように促されます。
するとその中には、扈輒と拷問官にバラバラにされながら死んだ雷土の無残な姿がありました。
雷土は桓騎の今回の奇策を知る数少ない側近の一人。
身体の一部分を少しずつバラバラにされながらも、最後まで口を割ることはなかったのでした。
桓騎の勝利が咸陽へ届く頃
鳥の知らせで秦王都・咸陽にも、桓騎が扈輒に勝利したとの吉報が入り、嬴政と側近たちはどよめきます。
扈輒を射ったことにより、武城・平陽に立ちはだかる難敵がいなくなり、いよいよ趙王都・邯鄲は目指すこととなります。
戦いは終わらない
雷土の無惨な死を受け、桓騎が報復へと乗り出します。
捕虜となった趙兵数万人の首を全て落としました。
この大惨事も咸陽へ鳥の知らせで届きました。
嬴政は愕然とし、王座に座り込みます。
が嬴政はすぐさま、昌平君にすぐに動かせる直下兵団は何名いるかと問いかけます。
桓騎の捕虜の大量虐殺に激昂した嬴政は、自ら咸陽を離れ数万の兵を率いて最前線に乗り込んで行きました。
「平野地で大王を出迎える」と王の伝令に伝えた割に、嬴政が現地に辿り着くと、桓騎は偉そうに椅子に座り踏ん反り返っていました。
昌文君は、「オイ!貴様!何だ、その態度は!!!」と声を荒げます。
摩論も焦って、「お頭、さすがにまずいんじゃ…」と言いながら、ビクビクします。
嬴政は桓騎に何故捕虜を虐殺したのかと問いだします。
桓騎は「ただやりたかったから、やっただけだ」と答えます。
嬴政は「斬首の刑に処す」と言い、豹子牙に桓騎の首を落とすように命じます。
そこへ摩論が「待ってください」と止めに入ります。
摩論は嬴政に捕虜を虐殺しなければ、大量の扈輒軍に反乱を起こされる可能性があり、仕方なくやったと説明します。
嬴政は「だからと言って全てを虐殺する必要があったのか」と摩論に問いただします。
これを聞いた桓騎は、嬴政に対して「お前が殺しの人数で怒るのは、おかしい。今侵略しかけて、
この世で一番殺しをしているのは、お前だ」とのたまいます。
これに対し、嬴政は「子供じみた屁理屈に付き合う気はない」と返します。
桓騎は嬴政に
「よその土地を侵略して奪って、その上で一つになれると思ってるのか。
国を一つにして、戦を無くすとか言ってるけど、絶対に人はそうはならない。お前は人に期待しすぎなんだよ」
と、核心をついたことを口走ります。
嬴政は、これに対して「ああ、そうだ、それのどこか悪い」と返答します。
嬴政はしばらくの間考え、摩論の説明と劣勢だった戦況において扈輒軍に勝利した昌平君の評価をもって、桓騎を許すことにしました。
中華統一の為には、理不尽な行いの桓騎であっても、秦国には必要な存在であると気付いたのです。
嬴政と信の再会
山積みにされた頭蓋骨の山を目前に、嬴政が考えにふけっていると、信がやってきました。
信は嬴政に「悪かったな。こんな最前線まで来てもらって。ありがとな。」
と言うと、嬴政は「何故、お前が謝罪と礼を言う?」と返します。
信は桓騎の暴挙を止められなかったことを謝っているのです。
飛信隊は意図的に桓騎軍から離され、
止めることは出来なかったし、止めに行っていたとしても、
今度は飛信隊と桓騎軍が戦争になってしまう。
嬴政は桓騎に釘を刺しておいたと言うが、今は桓騎がどうのと言うより、
大量虐殺の結果、趙人の怒りが前線にいる信たちに向かうのが怖いのだと言います。
趙王都・邯鄲では
宰相・郭開(かくかい)が秦軍が扈輒を討ち、武陽・平城に迫る勢いであるとの知らせを受けていました。
楚に亡命していた廉頗(れんぱ)将軍を呼び寄せると言う声が上がりました。
しかし、先王・棟襄王(とうじょうおう)を上回る楚王の振る舞いを見て、廉頗将軍が黙っているはずがない、
郭開は自ら追い出した、李牧を二年ぶりに呼びよせる為に、早馬を李牧のいる青歌に走らせます。
【キングダム64巻】のネタバレ!圧倒的劣勢の桓騎軍が扈輒軍を捕らえる!? のまとめ

以上、キングダム64巻の大まかなあらすじをネタバレを交えて紹介しました。
王都・邯鄲の喉元まで秦軍が迫ってきたと知り、李牧を呼び戻すしかなくなってしまった郭開。
しかし、李牧が青歌に亡命した時からいずれは趙国に戻ることが来るだろうとの予兆はありました。
これから李牧がどんな策で秦軍に反撃して行くのでしょうか。