人物

河野通洋(八木澤商店)が被災地で行った事業再建と奇跡のもろみとは?

こんにちは!!なぎさです(*‘∀‘)

ご訪問ありがとうございます!!

2011年3月11日の東日本大震災で、代々伝わる醸造会社を津波で流されながらも、経営再建に立ち上がり社員の生活を守ることや地域の復興に立ち上がった河野通洋(こうのみちひろ)さんをご存知ですか。

河野さんはどのようにして、醸造業の再建にあたったのでしょうか。

今回は河野通洋さんをご紹介したいと思います。

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Contents

河野通洋さん(八木橋商店)プロフィール

1973年、陸前高田市出身。

アメリカコロラド州レッドロックスコミュニティカレッジ卒業。

(株)八木澤商店 代表取締役社長(九代目)。

2011年3月11日の東日本大震災で、被災した直後から金融機関の連絡リストを被災企業に配ってまわるなど、人のため・地域のために役立つことを率先して行う東北復興におけるリーダー的存在です。

(株)八木澤商店とは

創業1807年。しょうゆや味噌の醸造会社です。

岩手県陸前高田市岩泉に、初めは清酒の製造業として運営されていました。

太平洋戦争で、清酒の原料であるお米は食料として徴収されたため、気仙地域ににあった清酒会社9件が統合して酔仙酒造という別会社が作られました。

蔵がもともと醸造用の蔵であったため、お米以外で何か造れないかと考えた時に、蔵人用(くらびとよう)に造っていた味噌や醤油を一般向けに、造ってみようということになりました。

そこで先代は、1945年、ヤマセン味噌・醤油を立ち上げ、製造を開始しました。

また、大船渡や気仙地域で採れるくじらの大和煮用のしょうゆ、さんまの佃煮、いくらの醤油漬けに使われる水産物の加工品用のしょうゆを造るようにもなりました。

1960年、八木澤商店となります。

2011年3月11日に東日本大震災による津波で壊滅的な被害をうけました。

2014年11月、震災で生き残ったもろみを使った、奇跡の醤(ひしお)を販売。

本社 :岩手県陸前高田市矢作町字諏訪41

TEL 0192-55-3261

FAX 0192-55-3262

E-mail:info@yagisawa-s.co.jp

http://www.yagisawa-s.co.jp/

八木澤商店は震災後どのように再建していったか

震災で工場や貯蔵していた原料も全て流されてしまった八木澤商店の被害は壊滅的でした。

電気もつかない真っ暗ながれきの中で、河野さんは残っていた預金で社員のお給料が8か月分くらいはあることを割り出します。

当時まだ専務だった河野さんはお父さんから代表取締役社長として会社を引きつぎ、再建を立て直すことを誓いました。

社員を集めて救援物資を配る傍ら、4月1日には新入社員も向かい入れ、震災直後の状況下でありながら「1人も解雇することはありません」と、社員の前で誓いました。

5月2日には、自分自身の会社で何も造れない状況であったため、信頼している同業者に大切なレシピを渡し、商品造ることを依頼しました。

出来上がった商品は従業員全員で、販売しました。

震災で流されてしまった八木澤商店のもろみが奇跡的に発見される

震災直後「八木澤商店の樽が発見された」という情報を、メディアのクルーから受けた河野さんは、樽が本当に八木澤商店のものか、見つかった釜石まで確認しに行きます。

間違いなく八木澤商店のもので、河野さんは樽の底にこびりついた※もろみのかけらを採りました。

さらに釜石にある北里大学バイオテクノロジー釜石研究所から、「震災前のサンプルでいただいていた、もろみが見つかりました」と連絡を受けます。

もちろんバイオテクノロジー研究所も被災していましたが、河野さんがテレビで樽の底からもろみを採る姿が放映されるのを見て、研究員ががれきの中から、必死で無傷のままのもろみを探しだしてくれたのです。

さらに嬉しいことに、八木澤商店の醤油が復活するまで、バイオテクノロジー研究所で培養しておいてくれると言ったのです。

※もろみとは、酒・醤油などを造るために醸造した液体の中に入っている原料が発酵した、やわらかい固形物をいいます

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河野通洋さん(八木橋商店)が地域活性化のために活動しつづける理由

河野さんは、亡き恩師の「強いものだけが生き残れる世の中をつくるより、弱いものもみんなが生き残れる世の中をつくることの方がずっと難しいという言葉を、いつも念頭においています

八木澤商店だけが生き残れる経営ではなく、仕入れ先も売り手も陸前高田市の中にある以上、皆で復活していかないと、本当の意味での復活・復興ではないと考えています。

中小企業友好会という組織で、地域経済を担っているのは中小企業だから、中小企業がまず元気にならなければならない、中小企業が元気になり、はじめて地域が活性化されていくという考えのもと活動しています。

さらに2011年10月、「なつかしい未来創造」という、事業応援会社を設立しました。

なつかしい未来創造は、地元にある資源を生かしながら、今地域がかかえている社会問題に応え、500人分の雇用を創出を目指しています。

それとともに複数の事業を育成していくことを目的とした復興街づくり会社で、2021年には解散する予定になっています。

河野通洋さん(八木橋商店)の新工場設立のための資金調達は、クラウドファンディングを利用

2013年11月に、岩手県一関市で新工場を設立するにあたって、資金が1億円ほど不足していました。

そこで河野さんは、インターネット上で資金の調達を募るクラウドファンディングを利用しました。

ファンドの運営会社はミュージックセキュリティーです。

メインバンクの岩手銀行から融資を受けることもできましたが、有利子で負債を大きくしたくなかったのです。

八木橋商店の商品は、ネット通販で買うことができます

Amazon楽天市場ぐるすぐり(ぐるなびのお取り寄せ通販サイト)、あじたび(シニア向け通販サイト)で購入することができます。

まとめ(八木澤商店)

今回は河野通洋さんについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

河野さんの経営理念は、普段都会で「利益最優先!」的な企業で働く人々にとっては、考えも及ばないところです。

しかし、岩手県陸前高田市という地域のつながりが強く、被災して助け合わなければやっていけない状況下では、自然と芽生えてくる発想なのかもしれません。

今後の河野通洋さんのご活躍を、期待したいと思います。

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ABOUT ME
なぎさ
東京都在住。 二人の男の子のシングルマザーです。 ファイナンシャルプランナー。 好きなものは、息子、音楽、城、南の島、ネコ、ビール、鼻ぺちゃ犬、マンガ、映画館、空港、腕時計。
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